■豆知識-57■ 相当隙間面積「C値」
豆知識56の続きです。
写真1、2のように吹き抜けなどの大きなスペースのあるお宅は
「冷暖房の効きが悪い」と言われていますが、それを克服するにはやはり気密性能が重要です。
住宅の気密性能を数字で表す場合「C値」相当隙間面積で表します。
C値は小さければ小さほど建物の気密性能が良い住宅という事になり
次世代省エネルギー基準では地域ごとにこの数値を定めています。
Ⅰ・Ⅱ地域の指定を受ける、北海道や東北北部では、C値を2.0c㎡/㎡以下が基準値
その他のⅢ~Ⅴ地域では5.0c㎡/㎡以下を気密住宅とし融資特典(金利優遇や割り増し融資)の対象になるケースが多いです。
簡単に言うとその家の床面積1㎡当たりに何c㎡の隙間があるのか? を調べるのです。
例えば100㎡の住宅(約30坪)を測定したとして1㎡当たり5c㎡の隙間があると測定結果が出た場合
C値は「5.0c㎡/㎡」=C値は「5」となります。
5.0c㎡×100㎡の広さ=500c㎡の隙間があるという事です。
A4サイズのコピー用紙が630c㎡ですから・・・・
隙間の広さを合計すると、人間の顔の大きさくらいの穴の空いた家って事になるのでしょうか?(笑)
北海道基準の、C値2.0なら200c㎡・・・手の平サイズの穴ですかね
1.0以下まで気密を高めれば100c㎡(10㎝角)ですから、こぶしが通る位の穴です。
穴と言いましても実際には玄関戸や窓などの目に見えない隙間や
軒下、基礎まわり、床下換気から室内に流れ込む微量な隙間の合計です。
写真3の測定器は風速20メートル級のスピードで部屋の空気を外に吐き出しますから
その時にティッシュを1枚持って各部屋を歩くと 窓の近くや壁と床の取り合いにかざすと
ティッシュがヒラヒラ揺れます。それこそが隙間面積のある部分という事です。
玄関ドアや勝手口、窓などを高気密のものを使う事や
気密を確保するいろいろな工法によって
C値を「1」や「0・5」へと高める事はそれほど難しい事ではありませんが・・・
ただ、合わせて換気計画もしっかりと行って、二酸化炭素やファンヒーターの排気問題
その他「壁内結露」を起させない技術が必要とされております。
また、断熱や遮熱性能も併せ持った施工を施さないとなりません。
熱損失係数(Q値)の値が低い住宅では、どんなに気密が良くても冷暖房効率が悪くなります。
冷蔵庫で例えて・・・、もし隙間があって中の冷気が逃げる構造だったら?
薄~~い鉄板だけの箱で断熱が期待できない作りだったら?
冷蔵庫とは呼べないのと一緒になってしまいます。