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2011年09月13日

■豆知識-316■ ソーラーパネルの設置角度って……何度?

「ソーラーパネルって、『何度』の傾きが一番効率良いんですか?」
この質問、多い時は1日3回くらい質問されます。(展示会時など)

その都度「20~30度」くらいがベストだと思いますよ!
と……とってもザックリ!!こんな適当な回答をしてしまう私(><)
このアバウトな答え方には……深い理由があるんです……言い訳を聞いて下さいm(_ _;)m

太陽の日差しは朝日から夕陽まで、方角が違う事と
季節によって日射角度も日々変化しています。
(詳しい事は天文学の勉強してる人に聞いて下さいね♪)

「図1」の夏至(げし:おおよそ6/22近辺)
「図2」の冬至(とうじ:おおよそ12/22近辺)
昼間の時間が一番長い夏至と短い冬至では日の出入りの位置や高度がこんなに違います。

平均値は……真ん中をとって 入射角『55度』でしょう。
南中時(正午)これを対面する直角で受けるとしたら、パネルの傾きは35度です。
※家を建てる緯度、経度、あと……屋根の傾きの方角にもよって違いはあります!!
(屋根勾配の向きが真南と仮定しての計算ですからね)
ところが、この35度。実際マイホームの屋根の傾斜で作るとしたらかなり急!
職人さんがこの急勾配の屋根の上で作業するのは不可能で、特殊な作業足場を準備しないとなりません。
のちのちの点検や、アフターメンテ時の作業の事まで考えると……あまり現実的ではないかな?
その辺も加味した総合的な答えとして……20~30度の角度と答えています。

お客様の中で……
「朝日から夕陽の軌道に合わせて、パネルが向きを変える装置にして発電効率を高めたい!」
という御要望まで出た事がありますが、たぶん、設計から製作、設置まで合わせると2億円くらいかかりそうです。
一般家庭の電気代、2000年分くらい掛りそうなので諦めていただきました。話を戻しますが、傾斜角度35度と25度の違いって
発電効率からしたらどのくらいロスがでるのか? メーカーに聞いた事があります。
1.5%前後ではないでしょうか?と回答がありました。
例えば年間の余剰電力の売電価格がが10万円のお宅の場合、10度、角度が違って出るロスは年間1500円くらい。月にして125円ですから目を瞑りましょうよ。

先日御説明した豆知識-315で『陸屋根(りくやね)の場合のソーラーパネル』

http://blogs.yahoo.co.jp/k_sys_1/35959893.html
こちらの「写真2」は角度0、真上に向けて設置してありますが……
この場合でも発電効率のロスは3~4%程
月にして330円くらいなので、設置工事費が高額になる工法にするほどの必要性は無いと思います。

最も重要な事は、建築時の屋根の向き!それと近隣のビルや山など障害物(日陰)の有無の方が大事!
以前 のどかな山間の農家で見積りした事がありますが、建物が山々に囲まれてて屋根に日が当たるのが9時~15時という事で25%減で断念した事もあるんです。