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2017年06月13日

新通1丁目 T様邸 新築現場ー35 各階の偏芯率を0.15%以内に抑える!

大工さんがボード貼りしています。
「写真1」壁と天井にPB(プラスターボード:石膏)を貼っています。

「写真2」グレーのボードは強化石膏プラスター。
耐震性能を上げる為に 設計の段階から採用が決まっている材料です。
建物の形が細長い場合は 道路から見て前後方向はたくさん壁があるので
高強度ですが、逆に左右の大きな揺れに弱くなりがち! 壁の量が極端に少ないから。

そこで【X軸】方向に強化プラスターで強度を上げるのです。
横揺れで壁面に強烈な負荷が掛かった場合 それに耐え得る硬いボード。
設計図を置いて見た時、上下に向かって書いてある線や壁の方向が【Y軸】で
【X軸】はそれに直角方向(横向き)の壁。

「写真3」こちらは同じ【X】方向、
今度はプラスターではなく 構造用合板を表裏 両面貼りで
さらに強度を上げてます。
「面倒!」って言ったら怒られるかもしれませんが、壁倍率の計算によって
それぞれ場所によって使う材料を変えなければなりません。

【壁倍率】って聞いた事ありますか?
幅約90センチ程の壁が 建築基準法上0.5倍→1.0倍→1.5倍・・・・
最大5.0倍まで数式化されています。
耐力壁の長さ×壁倍率(壁の強さの倍率)=建物全体の強度 となる計算。
それに合わせてそれぞれの壁の強度を計算しながら設計するのです。

じゃぁ~何でもかんでも壁倍率をMAX5.0にしてよ! って言うかもしれませんが
それやったらダメ。 実は弱くなる @o@;/

地震で建物が揺れる時 必ず偏芯(重心のばらつき)があります。
なので各階の偏芯率をどんなに大きくても0.15%以下にしないとなりません。
闇雲に壁全ての倍率を上げると 大きな開口部や 1階の駐車場にだけ負担が集中するので
建物全体を均一にバランス良く倍率壁を配列する必要があるんです。

分かり易い例は 基本2階建ての住宅だけど 建物の半分の大きさの分だけ3階建を乗せた家の場合、
1~2階の壁の強度、全て統一しませんよね? 3階がある部分のその下の支えの壁は
強い壁を細かく配置しないと地震で崩れてしまいますよねー
ドコに一番荷重が掛るか? 揺れた時に建物は どう振り回されるか?
振り回され方までをちゃんと構造計算書でまとめながら施工方法を決めているのです。

私が構造計算をしている・・・訳ではないです。 やってる人がそう言ってました(笑)